1989年3月の初版本です。
「国境 1945年 夏の光の中で」しかたしん 理論社
昨年の5月自粛ムード漂うなか、アマゾンでこの古い本を見つけ手にしたくなりました。
実はこの本三部作の一番最後、完結編です。




本の端は黄ばんでいてかび臭い昔の図書館の匂いがします。
図書館などでは著者が児童文学者で有名なしかたしん氏なため児童図書のコーナー等に置かれていることが多いですが、まったく大人向けのスリルとサスペンス溢れる大作です。
以前子ども図書館に場違いに置かれていた総集編を読んだことがあります。超長編ともいうべき大作ですが、戦時下の策謀や恋愛、統治するものとされるものとの軋轢、帝国陸軍と朝鮮民族の数奇な運命が見事に生き生きと描かれており歴史的価値も高い作品といえます。