8月21日に豊橋市のお寺で父の四十九日法要をおえてきました。
23年前の夏。
母が彼女の父親を亡くした時のこと。
四十九日の席に黒い蝶々がひらりとあらわれた。
母ははっとした顔で私に言った。
「あの蝶々、おじいさんのような気がするわ」
34歳の私はあきれた顔をするしかなかった。
今なら心の底から理解できますよ。
それはおじいさんだったんだ。
悲しみで研ぎ澄まされた気持ちに寄りそってくれたんだ。
お寺の本堂で読経流れるなか、ふと蝶々をさがす57歳の俺。
バカにしていたわけじゃないんです。
その歳では理解できなかっただけなんです。
親を亡くすなんていう恐ろしい悲しみを。
その時優しい言葉をかけただろうか?
たったそんなことができていただろうか?